SMAPがいないということ

2019年3月、私が生きている世界にはSMAPはいない。

SMAPがいなくなって、2年が経った。騒動が起こってからは3年も経った。2年も経てば、色んなことが変化しているけど、私は納得できていないし、心の拠り所がなくなってしまったことが時折とてつもなく悲しくなって、今でも大声をあげて泣いてしまう。「なんで今、SMAPはいないんだ」と堂々巡り。
これから誰かが退所したり、何か状況が好転したりしても、この先この騒動の真相を私たち一般のファンが知ることはないだろう。真実は分からない、2016年は1年中ずっとテレビで報道もされてきたし、新聞やネットニュースで数えきれないほどの記事を見てきたけれど、真実は分からない。3人が事務所を辞めて、SMAPがいなくなったということだけが私の知り得る事実だ。



でも、ファンは様々な情報から誰かを悪役にする。中居正広は「誰も悪くない」と言ったのに。

悪役を作ると、生きるのは途端に楽になると思う。そうすることで一部は団結しやすくなる。それが本当の悪役ならいいけれど、本当に悪役だと胸を張って言えるのだろうか、と私はいつも疑問に思う。事務所の不手際は十分見てきたし、正直辟易するところもある。でも、ファンはこれまで文句を言いながらもお金を払ってきたし、その恩恵も受けてきたはずで、私には、SMAPもその周りの関係者も環境を改善できるように動いていたのか分からない。手放しで、100対0で事務所が悪いとなぜ言えるのだろうか。事務所が悪くないと言いたいわけじゃない、事務所は確実に悪い。それでも過剰になっている批判が、私は怖い。子どもが何も知らずに自分のことを棚に上げて批判しているなら分かる。でも、全員大人だから、大人なのに偏った意見だからこそ、怖い。


そして、私はその状況に疲れてもいる。事務所や後輩グループを批判する人を見るたびに、SMAPの誰か一人を貶める人を見るたびに、心がすり減る。見なければいいというけれど、これでも私はフォローを何人も外した。でも、私はSMAPが好きな人たちの声を聞きたい。一人じゃないと思いたい。苦しさを分かち合いたい。けれど、SMAPのアカウントを見ることが辛くもなってきている。


「マスカレード・ホテル」は見に行ったし、中居くんのレギュラーは見ているし、新しい地図のファンミ、NAKAMA to ミーティングにも行った。私は、SMAPが好きだ。
ファンミで大号泣して、やっぱりこの人たちにはステージの上でキラキラするのが似合う、一生そうしてほしいと思った。ステージの上で、ライトアップされて、踊って歌って、キラキラしてほしいと願う。本人たちが望むのであれば。

でも、現状は甘くなく、中居正広はレギュラーが二つ終わり、稲垣吾郎のレギュラーが終了すると、新しい地図の地上波はCMだけになる。木村拓哉はラジオのみ。
なぜ、なのだろう。何度考えても分からない。結局こちらには真相は分からない。視聴率不振なら納得できる。でも、この異常な状態に誰が納得するのだろう。
私は、香取慎吾が久しぶりに地上波に出た「仮装大賞」でたくさん泣いた。この番組だけはどうにか続いてくれという思いと、なぜ私は地上波に出たというだけで楽しい番組を見ながら泣かなければならないのか、という思いと共に。ファンはテレビは終わってるというし、YoutuberやAbemaTV、Netflixなどの動画配信サイトが盛り上がっているのも分かる。今の若者はテレビなんか見ないという言葉もよく聞く。視聴率だけでいえば、そうかもしれないけれど、今は見逃し配信だってあるし、違法アップロードだってたくさんある。「テレビは終わった」から出なくていいのか?と疑問に思う。私はテレビにも出てほしい。ファンだけじゃなくて、多くの一般の人にも知ってほしい。事務所を辞めたけど、病んでないし元気にキラキラと、アイドルやってるよってこと。テレビで取り上げられたことがネットでも話題になることは、今でも往々にしてある。だからこそ、テレビにも出てほしいと思ってしまう。それは、こちらの願いだけでは、SMAPの働きだけでは、どうにもできない問題だから、結局事務所が、テレビ局が、という話に戻ってしまう。


いっそのこと、「もうないよ」って言われた方が楽なのかもしれないとも思う。でもそれ以上にもう一度SMAPを見たい。諦めが悪い。
どうしたらいいんだろう。何を信じればいいんだろう。
ファンミのレポで『飯島さんに「二人の事も待ってていいですか」って質問したらうなずいてくれた』というツイートは一つじゃないけれど、いつまで待てばいい?

分かっている、私も上記のような批判するファンになっているということ。
だから辛い。
私は笑顔のアイドルを、笑顔で応援したい。
矛盾していることも分かってる。そんなに辛いなら辞めればいいと私も思う。
でも、どうしても、SMAPSMAPであるところを見たい。私が生まれて物心ついたときにはスターだったSMAPが、このまま終わるなんて信じられない。信じたくない。


でも正直に言うと、SMAPのカケラを集めるのがすごくすごくしんどい。
そのカケラがファンの支えになっていることも分かる。
でも、この色は、この名前は、ラジオでこう言ったという、とぎれとぎれの確証のないカケラをいくつ集めれば、私はSMAPにもう一度会えるのだろうか。